エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
船戸康弘(ふなどやすひろ)というが、本名を嫌がるので、高校生の時から『ジュリア』と呼んでいる。
それはそのまま、彼女の源氏名となっていた。
矢城が注文せずとも、ロックのウイスキーが出された。
つまみはナッツだ。
ウイスキーグラスの中には丸氷が入れられ、黄みがかった照明で琥珀色に輝いて見えた。
ジュリアは体にフィットした濃い紫色のドレスを纏っている。
中性的で整った顔立ちは元からだが、女性らしいボディラインはホルモン剤や美容医療で長年かけて作り上げたものである。
紅茶色の長い下し髪をなまめかしく耳にかけ、ジュリアは矢城をからかう。
「このところ頻繁に来店してくれるのは、なにか悩み事があるから? それともうちの店に射止めたい子でもできたのかしら?」
「そんなんじゃない。ジュリアと昔話がしたいだけだ。年を取ったものだな。お互いに」
「ま、失礼ね。浩ちゃんは少年時代から中身が老成していたけど、私はまだまだ若いつもりよ。恋愛だって現在進行形。一緒にしないでほしいわ」
フッと笑った矢城が、グラスを口につけた。
中の氷は解け始めたばかりで音を立てない。
それはそのまま、彼女の源氏名となっていた。
矢城が注文せずとも、ロックのウイスキーが出された。
つまみはナッツだ。
ウイスキーグラスの中には丸氷が入れられ、黄みがかった照明で琥珀色に輝いて見えた。
ジュリアは体にフィットした濃い紫色のドレスを纏っている。
中性的で整った顔立ちは元からだが、女性らしいボディラインはホルモン剤や美容医療で長年かけて作り上げたものである。
紅茶色の長い下し髪をなまめかしく耳にかけ、ジュリアは矢城をからかう。
「このところ頻繁に来店してくれるのは、なにか悩み事があるから? それともうちの店に射止めたい子でもできたのかしら?」
「そんなんじゃない。ジュリアと昔話がしたいだけだ。年を取ったものだな。お互いに」
「ま、失礼ね。浩ちゃんは少年時代から中身が老成していたけど、私はまだまだ若いつもりよ。恋愛だって現在進行形。一緒にしないでほしいわ」
フッと笑った矢城が、グラスを口につけた。
中の氷は解け始めたばかりで音を立てない。