エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「そうだったか?」
「あら、忘れちゃったの? ジュリアと呼んでほしいと言ったら、あなた、『わかった』と普通に言ったのよ」
好きな曲の歌詞に出てくる名前から取ったそうだが、恥ずかしいと拒否されると思って言ったらしい。
しかし矢城はその時から今日までずっと、彼女のことをジュリアと呼んでくれる。
それが当たり前であるかのように。
ジュリアは自分の分のウイスキーの水割りを作りながら、口角を上げた。
「私の方が驚いたのよ。あなたがあまりにもアッサリ受け入れてくれたから」
「そうだな。驚きはなかったな。それより、色々と疑問に感じていたことが腑に落ちた。トイレに入る時や、体育の着替えの時、嫌そうだったもんな。性同一性障害について知識があったことも、その要因だろうな」
矢城の実家は代々、医師の家系である。
父親は都内に内科の専門病院を経営し、七十歳間近の今も現役で診察をしている。
ひとり息子にも医学の道に興味を持たせようと、医療関連の新聞記事は必ず読ませていた。
そのおかげで矢城は、性同一性障害という言葉も早くから知っていたのだ。
しかし、あることがきっかけで、矢城が選んだのは弁護士の道。
「あら、忘れちゃったの? ジュリアと呼んでほしいと言ったら、あなた、『わかった』と普通に言ったのよ」
好きな曲の歌詞に出てくる名前から取ったそうだが、恥ずかしいと拒否されると思って言ったらしい。
しかし矢城はその時から今日までずっと、彼女のことをジュリアと呼んでくれる。
それが当たり前であるかのように。
ジュリアは自分の分のウイスキーの水割りを作りながら、口角を上げた。
「私の方が驚いたのよ。あなたがあまりにもアッサリ受け入れてくれたから」
「そうだな。驚きはなかったな。それより、色々と疑問に感じていたことが腑に落ちた。トイレに入る時や、体育の着替えの時、嫌そうだったもんな。性同一性障害について知識があったことも、その要因だろうな」
矢城の実家は代々、医師の家系である。
父親は都内に内科の専門病院を経営し、七十歳間近の今も現役で診察をしている。
ひとり息子にも医学の道に興味を持たせようと、医療関連の新聞記事は必ず読ませていた。
そのおかげで矢城は、性同一性障害という言葉も早くから知っていたのだ。
しかし、あることがきっかけで、矢城が選んだのは弁護士の道。