エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
真っ赤な顔と、勇気を振り絞ったような緊張した声。
誰から見ても、彼女が矢城に好意を抱いていることは明らかだった。

隣のクラスの彼女とは、それまで話したことがなかったので、矢城は驚いた。
だが、心は弾んだ。
彼も思春期で、異性には人並みの興味があった。
綺麗な女の子に好かれて、嫌なわけがない。

それがきっかけで話すようになり、時々一緒に帰ったりもした。
『付き合おうか』と矢城が言ったら、嬉し泣きした彼女の可愛らしい反応をよく覚えている。
まさに青春の一ページだ。

その綾がいじめられるようになったのは、矢城との交際を始めて間もなくであった。

矢城は密かに女子に人気があったので、理由はやっかみだろう。
矢城は医者の家系に生まれた御曹司で、成績は常にトップ。
なんでも器用にこなすが偉ぶるところはなく、また他の男子のように幼稚なはしゃぎ方もしないので、一目置かれる存在であった。

女子人気が密かに……というのは、告白したところでふられるだろうと、女子たちが気後れしていたせいである。

その矢城を綾が射止めたので、悔しく思う女子もいたはずだ。
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