エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
綾は美人だが大人しく、意見をはっきり言えないところがあり、他の女子たちに低く見られていた節がある。

いじめは陰口を叩くところから始まり、エスカレートして私物を隠されたり壊されたりするようになった。
綾には仲のいい友達もいたのだが、自分にまで被害が及ぶと懸念して、距離を置かれてしまった。
綾にとっては、そっちの方がこたえたようだ。

綾は自分から矢城に、いじめられているとは言わなかった。
けれども矢城はすぐに気づいた。
上靴ではなく、来校者用のスリッパで過ごす綾を見れば、気づかないわけがない。

矢城は怒りに任せて加害者と思しき女子生徒たちを呼び出し、きつく説教をした。
しかし、それが逆効果だったのか、いじめは激しさを増し……綾は心を病んでしまったのだ。

(まったく、あの頃の俺はバカだったな。まずは綾を休ませ、いじめから遠ざけるべきだったんだ。それなのに俺は、負けるなと励ましてしまった。いじめの証拠を揃えて、学校や親、外部を巻き込んで対峙しないと、俺が叱った程度で反省する加害者じゃなかったのに……)

心を病んだ綾は、三か月ほど入院し、高校を辞めてしまった。

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