エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
矢城は彼女の自宅に行ったが、会うことはできなかった。
綾の父親に、母親と一緒に遠方の親戚の家で療養しているからここにはいないと言われたのだ。
綾とは、それっきりだ。
いじめのきっかけは自分との交際で、恋人を守ることもできなかった己の不甲斐なさに、矢城は打ちのめされた。
その経験が矢城を弁護士の道に進ませたのだが、綾への懺悔の気持ちと自己嫌悪は今でも消えることなく、矢城を苦しめている。
少なくとも、恋人を作れないほどには……。
「今なら、守ってやれるのにな……」
いじめられていた依頼者の女子高生、七海の顔も思い出しながら、矢城は独り言ちた。
吉野母娘に対し、矢城が過剰なアフターフォローをしている理由は、綾にしてやれなかったことをしてあげたいという、半分贖罪のような思いからである。
若手の頃に勤めていた大手法律事務所を辞め、独立してマチベンになったのも、大きな案件で名声を得るより、綾のような子を出さないために力を使いたいという願いが根本にあるせいだ。
やるせない気持ちになり、二杯目のウイスキーのロックも飲み干してしまう。
綾の父親に、母親と一緒に遠方の親戚の家で療養しているからここにはいないと言われたのだ。
綾とは、それっきりだ。
いじめのきっかけは自分との交際で、恋人を守ることもできなかった己の不甲斐なさに、矢城は打ちのめされた。
その経験が矢城を弁護士の道に進ませたのだが、綾への懺悔の気持ちと自己嫌悪は今でも消えることなく、矢城を苦しめている。
少なくとも、恋人を作れないほどには……。
「今なら、守ってやれるのにな……」
いじめられていた依頼者の女子高生、七海の顔も思い出しながら、矢城は独り言ちた。
吉野母娘に対し、矢城が過剰なアフターフォローをしている理由は、綾にしてやれなかったことをしてあげたいという、半分贖罪のような思いからである。
若手の頃に勤めていた大手法律事務所を辞め、独立してマチベンになったのも、大きな案件で名声を得るより、綾のような子を出さないために力を使いたいという願いが根本にあるせいだ。
やるせない気持ちになり、二杯目のウイスキーのロックも飲み干してしまう。