エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「なんで詩織ちゃんのことを知っているんだ?」と少々驚きつつ、ジュリアと詩織の接点を探す。

「ナワポンさんが来て、話したのか?」
「はずれ。来たのは詩織ちゃんよ。三日前におどおどしながら来店して、この店でアルバイトをさせてほしいと言ったのよ」
「はぁっ?」

矢城が大きな驚きの声を上げたのが珍しく、面白かったのか、ジュリアがクスクスと笑った。

「うちの店は、男の娘(こ)しか募集してないのよと断ったら、困った顔してね。お酒が飲めないというし、お茶出して話を聞いてあげたの。そうしたら、あなたのことが知りたいと言うのよ」

客として訪れ、いきなり矢城の昔の話を聞かせてほしいと言ったところで不審がられるだけだと、詩織は考えたらしい。
それでまずはこの店でアルバイトをして、ジュリアと仲良くなるつもりでいたようだ。

回り道をしてしまうところが詩織らしいと思いつつ、なぜ過去を探ろうとしたのかと矢城は眉を寄せた。

(そういや俺は詩織ちゃんに、自分を嫌悪しているから大切な女性は作れないと言ってしまったな。なにがあったのかと、気にされても仕方ないか……)

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