エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
机を借りていた詩織は、急いでノートパソコンを相談室へ移し、客に出したコーヒーカップを台所に片付けた。
すると、赤沼の不満げな声を聞く。
「先生、なぜ引き受けたんですか。あんな少額の債務整理、骨折り損ですよ。僕の勉強のためにも、もっと稼げる大きな案件を探してください。これじゃ、なんのためにここへ移ったのかわからない」
赤沼はスラリとした体形の細面で、細縁フレームの眼鏡をかけている。
スーツの似合う見目好い青年だが、切れ長一重の目をしているからか、それともあまり笑わないためか、冷めた印象を与えてしまう。
けれども仕事ぶりは優秀で、向学心に溢れている真面目な人にも感じた。
詩織は、ひと仕事終えたふたりにコーヒーを淹れて出す。
「サンキュ」とカップを手にした矢城は、寝ぐせのついた髪をかき、あくびをしながら赤沼に答える。
「お前のいうデカイ仕事とは、法廷で闘うことか? この前やっただろ。詩織ちゃんを拾った日に」
「あんな単純な事故の民事訴訟じゃなくてですね――」
詩織の淹れたコーヒーを邪魔そうに机の端に避けて、赤沼がとうとうと語る。
すると、赤沼の不満げな声を聞く。
「先生、なぜ引き受けたんですか。あんな少額の債務整理、骨折り損ですよ。僕の勉強のためにも、もっと稼げる大きな案件を探してください。これじゃ、なんのためにここへ移ったのかわからない」
赤沼はスラリとした体形の細面で、細縁フレームの眼鏡をかけている。
スーツの似合う見目好い青年だが、切れ長一重の目をしているからか、それともあまり笑わないためか、冷めた印象を与えてしまう。
けれども仕事ぶりは優秀で、向学心に溢れている真面目な人にも感じた。
詩織は、ひと仕事終えたふたりにコーヒーを淹れて出す。
「サンキュ」とカップを手にした矢城は、寝ぐせのついた髪をかき、あくびをしながら赤沼に答える。
「お前のいうデカイ仕事とは、法廷で闘うことか? この前やっただろ。詩織ちゃんを拾った日に」
「あんな単純な事故の民事訴訟じゃなくてですね――」
詩織の淹れたコーヒーを邪魔そうに机の端に避けて、赤沼がとうとうと語る。