エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
彼は大学の法学部卒業後、弁護士を二十人も抱える大手法律事務所に就職したそうだ。
パラリーガルとして働き始めて一年ほど経った時に、上司であり指導役である、岩谷(いわや)という弁護士が、企業間取引の民事訴訟を担当することになった。
原告側の弁護士が岩谷で、被告側の弁護士が矢城だ。
誰もが勝てると信じていたその裁判は、高裁でひっくり返され、全面敗訴。
岩谷は大手法律事務所の中でも、一、二を争う優秀な弁護士であったというのに。
勉強のために裁判を傍聴していた赤沼の目に、矢城は光り輝いて見えたという。
「あの裁判で、僕は矢城先生に惚れたんです。この人の側で働いて学びたいと思ったんですよ。それなのに、ここでの仕事は小物ばかりで勉強にならない……」
赤沼の恨み言を、矢城が笑い飛ばす。
「そりゃ期待外れで悪かったなぁ。俺はこんなもんよ。『お悩み解決の手助けいたします』って、うちのホームページにも書いてあるだろ。赤沼にとっては小さな案件でも、当事者にしたら大きな悩みなんだよ。俺はそういう仕事を引き受けたい。まぁ、お前の勉強にならないのは認めるよ。前の事務所に戻りたいなら戻っていいぞ」
パラリーガルとして働き始めて一年ほど経った時に、上司であり指導役である、岩谷(いわや)という弁護士が、企業間取引の民事訴訟を担当することになった。
原告側の弁護士が岩谷で、被告側の弁護士が矢城だ。
誰もが勝てると信じていたその裁判は、高裁でひっくり返され、全面敗訴。
岩谷は大手法律事務所の中でも、一、二を争う優秀な弁護士であったというのに。
勉強のために裁判を傍聴していた赤沼の目に、矢城は光り輝いて見えたという。
「あの裁判で、僕は矢城先生に惚れたんです。この人の側で働いて学びたいと思ったんですよ。それなのに、ここでの仕事は小物ばかりで勉強にならない……」
赤沼の恨み言を、矢城が笑い飛ばす。
「そりゃ期待外れで悪かったなぁ。俺はこんなもんよ。『お悩み解決の手助けいたします』って、うちのホームページにも書いてあるだろ。赤沼にとっては小さな案件でも、当事者にしたら大きな悩みなんだよ。俺はそういう仕事を引き受けたい。まぁ、お前の勉強にならないのは認めるよ。前の事務所に戻りたいなら戻っていいぞ」