エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「戻りたいとは言っていません。僕は先生に惚れているんですから。勉強は勝手にやりますのでご心配なく。ただ僕は、先生の優秀さが埋もれているようで、それを悔しく思うんです」
赤沼はノートパソコンを広げて仕事を再開させつつ、独り言のように呟く。
それは矢城への文句であり、同時に賛辞でもある。
矢城は国内最高峰の国立大学の法学部出身なのだそう。
返済不要の特別奨学金をもらえるほど優秀で、在学中に司法試験の予備試験を突破。
卒業後の司法試験も難なく一度で合格した天才である。
「宝の持ち腐れですよ」と赤沼が眉間に皺を寄せていた。
横並びにされたふたりの机の間の、二歩下がった位置に詩織は突っ立っている。
コーヒーを出した後の丸盆を抱え、黙って赤沼の呟きを聞いていたが、感嘆の息とともに感想を口にした。
「矢城先生は、すごい弁護士さんなんですね……」
すると、クルリと椅子を回転させて振り向いた赤沼に睨まれた。
「なにを当たり前のことを言っているんだ。矢城先生はこんなところでくすぶっている弁護士じゃない。いつかきっと、日本中、いや世界中が注目する裁判の弁護依頼がくると僕は信じて――」
赤沼はノートパソコンを広げて仕事を再開させつつ、独り言のように呟く。
それは矢城への文句であり、同時に賛辞でもある。
矢城は国内最高峰の国立大学の法学部出身なのだそう。
返済不要の特別奨学金をもらえるほど優秀で、在学中に司法試験の予備試験を突破。
卒業後の司法試験も難なく一度で合格した天才である。
「宝の持ち腐れですよ」と赤沼が眉間に皺を寄せていた。
横並びにされたふたりの机の間の、二歩下がった位置に詩織は突っ立っている。
コーヒーを出した後の丸盆を抱え、黙って赤沼の呟きを聞いていたが、感嘆の息とともに感想を口にした。
「矢城先生は、すごい弁護士さんなんですね……」
すると、クルリと椅子を回転させて振り向いた赤沼に睨まれた。
「なにを当たり前のことを言っているんだ。矢城先生はこんなところでくすぶっている弁護士じゃない。いつかきっと、日本中、いや世界中が注目する裁判の弁護依頼がくると僕は信じて――」