エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
電話対応する矢城の声はいたって平静で、まだときめきと羞恥から抜け出せない自分を恥じた詩織であった。
十六時頃、赤沼がやっと戻ってきた。
「先生、遅くなってすみません。後藤さんの相続の件で新たな揉め事が発生しまして――」
赤沼が二件目に訪問した先は、遺産相続で親族が争っている家だ。
なんとかまとまりかけたところで、これが最新の遺言書だと、故人の親友を名乗る男が現れたのだという。
結構な修羅場だったのか、赤沼のスーツは誰かに掴まれたような皺がついているし、見るからに疲れていた。
詩織は自分のノートパソコンや書類を手に急いで机を明け渡し、赤沼にコーヒーを淹れようと衝立の方に向かった。
そうしたら電話のベル音に足を止められる。
それは固定電話ではなく矢城の仕事用のスマホであった。
外出していることも多々あるので、契約済みの依頼者には矢城直通の番号も教えている。
電話の相手と会話を始めた矢城が、返答に迷っているように低く唸った。
十六時頃、赤沼がやっと戻ってきた。
「先生、遅くなってすみません。後藤さんの相続の件で新たな揉め事が発生しまして――」
赤沼が二件目に訪問した先は、遺産相続で親族が争っている家だ。
なんとかまとまりかけたところで、これが最新の遺言書だと、故人の親友を名乗る男が現れたのだという。
結構な修羅場だったのか、赤沼のスーツは誰かに掴まれたような皺がついているし、見るからに疲れていた。
詩織は自分のノートパソコンや書類を手に急いで机を明け渡し、赤沼にコーヒーを淹れようと衝立の方に向かった。
そうしたら電話のベル音に足を止められる。
それは固定電話ではなく矢城の仕事用のスマホであった。
外出していることも多々あるので、契約済みの依頼者には矢城直通の番号も教えている。
電話の相手と会話を始めた矢城が、返答に迷っているように低く唸った。