エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
(おかしい。最初はムワッとした風が出るものよね。まるで数分前までクーラーが作動していたみたいに涼しい。クーラーが最新式だから? でも、この車、年季が入っていそうだし……)
ETC車載器はあるが、カーナビやCDプレイヤーもついておらず、車内には結構な音量でラジオが流れている。
詩織は微かに嫌な予感がしているが、信じたくない方へ意識が向かい、道案内を始める。
「次の信号を右に曲がってください。そうしたら左手に小学校が見えてきます」
しかし山田はウインカーを左に点滅させる。
「山田さん、違います。小学校は右です」
「わかってる。小学校はもういいんだ」
「え? もういいって……どういうことですか?」
詩織は驚いて運転席の山田を見た。
山田はなにも答えない。
今は膝を痛がる様子もなく、背筋もしゃんと伸びている。
その姿はよぼよぼの老人には見えず、詩織が感じていた当初の年齢より、十歳ほど若く見えた。
先ほど押し込めた嫌な予感が大きく膨らみ、詩織の鼓動が不穏な速度で鳴り立てる。
ETC車載器はあるが、カーナビやCDプレイヤーもついておらず、車内には結構な音量でラジオが流れている。
詩織は微かに嫌な予感がしているが、信じたくない方へ意識が向かい、道案内を始める。
「次の信号を右に曲がってください。そうしたら左手に小学校が見えてきます」
しかし山田はウインカーを左に点滅させる。
「山田さん、違います。小学校は右です」
「わかってる。小学校はもういいんだ」
「え? もういいって……どういうことですか?」
詩織は驚いて運転席の山田を見た。
山田はなにも答えない。
今は膝を痛がる様子もなく、背筋もしゃんと伸びている。
その姿はよぼよぼの老人には見えず、詩織が感じていた当初の年齢より、十歳ほど若く見えた。
先ほど押し込めた嫌な予感が大きく膨らみ、詩織の鼓動が不穏な速度で鳴り立てる。