エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
そのうち、すっかり鳴らなくなってしまった。
詩織は落胆し、巨大な恐怖にのまれそうになったが、懸命に心を保とうとする。
矢城の元に無事に帰るには、自分でなんとかするより他にないのだ。
(矢城先生に頼っては駄目。守ってもらわなくても大丈夫だと言ったのは私だもの)
それは、矢城の古い友人であるジュリアの店でのこと。
かつての恋人を守れなかったことを、矢城は今でも悔いて自己嫌悪している。
そのせいで彼は新たな恋ができないのだと知った。
だから店からの帰り道で詩織は、しつこい雑誌記者に立ち向かったのだ。
自分の身は自分で守る。矢城が守らねばならないような弱い女ではないと主張するために。
(あの時、言ったことを嘘にしたくない。助かる方法を自分で考えよう……)
詩織は心を落ち着かせるために大きく息を吐いた。
それを山田が「諦めたのか?」と勘違いする。
「ここではどうあがいても降りられませんから。しばらく高速なんですよね? 暇なのでメイク直しをしてもいいですか?」
「随分、肝っ玉が据わってるな。それともなにか企んでいるのか? 携帯を二台持っているんじゃないだろうな」
詩織は落胆し、巨大な恐怖にのまれそうになったが、懸命に心を保とうとする。
矢城の元に無事に帰るには、自分でなんとかするより他にないのだ。
(矢城先生に頼っては駄目。守ってもらわなくても大丈夫だと言ったのは私だもの)
それは、矢城の古い友人であるジュリアの店でのこと。
かつての恋人を守れなかったことを、矢城は今でも悔いて自己嫌悪している。
そのせいで彼は新たな恋ができないのだと知った。
だから店からの帰り道で詩織は、しつこい雑誌記者に立ち向かったのだ。
自分の身は自分で守る。矢城が守らねばならないような弱い女ではないと主張するために。
(あの時、言ったことを嘘にしたくない。助かる方法を自分で考えよう……)
詩織は心を落ち着かせるために大きく息を吐いた。
それを山田が「諦めたのか?」と勘違いする。
「ここではどうあがいても降りられませんから。しばらく高速なんですよね? 暇なのでメイク直しをしてもいいですか?」
「随分、肝っ玉が据わってるな。それともなにか企んでいるのか? 携帯を二台持っているんじゃないだろうな」