エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
矢城はかつて車を所有していたが、仕事上でもプライベートでも滅多に使用しないため、今の事務所に引っ越した際に、ついでに手放したそうだ。
必要になった時にまた車を買えばいいというこだわりのなさは、矢城らしい。
ふたりを乗せたスポーツカーは高速道路に乗り入れた。
恐怖の思いで通った往路を右に見ながら、復路を安堵の中で進む。
詩織の手の中にあるのは、ペットボトルの緑茶とチョコチップを練り込んだ菓子パン。
聴取の間に矢城がコンビニで買ってきてくれたもので、緑茶はぬるくなっていた。
菓子パンの袋は開封していない。
お茶だけ飲んでいる詩織に気づいたのか、しばらく無言だった矢城が口を開いた。
「食べなよ。腹減ってるだろ?」
昼からなにも食べていないので確かに空腹だった。
けれども矢城も同じだろうと思えば、食べられない。
矢城は自分の分を買わなかったようだから。
「帰ってからいただきます……」
「遠慮してるの? それなら半分こにしようか。あーんと言って、俺に食べさせてくれる?」
「は、はい」
矢城のからかい交じりの言動には、いつも詩織への気遣いと優しさがにじんでいる。
必要になった時にまた車を買えばいいというこだわりのなさは、矢城らしい。
ふたりを乗せたスポーツカーは高速道路に乗り入れた。
恐怖の思いで通った往路を右に見ながら、復路を安堵の中で進む。
詩織の手の中にあるのは、ペットボトルの緑茶とチョコチップを練り込んだ菓子パン。
聴取の間に矢城がコンビニで買ってきてくれたもので、緑茶はぬるくなっていた。
菓子パンの袋は開封していない。
お茶だけ飲んでいる詩織に気づいたのか、しばらく無言だった矢城が口を開いた。
「食べなよ。腹減ってるだろ?」
昼からなにも食べていないので確かに空腹だった。
けれども矢城も同じだろうと思えば、食べられない。
矢城は自分の分を買わなかったようだから。
「帰ってからいただきます……」
「遠慮してるの? それなら半分こにしようか。あーんと言って、俺に食べさせてくれる?」
「は、はい」
矢城のからかい交じりの言動には、いつも詩織への気遣いと優しさがにじんでいる。