エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
スカートの裾から見える膝小僧には、今朝はなかった大きめの絆創膏が一枚貼られていた。

ランドセルを床に投げ置いた美緒は、「お帰り」と迎えた矢城に駆け寄ると、満面の笑みを浮かべてその膝に座る。

「矢城先生、褒めて。今日の美緒はね、悪者をやっつけたんだよ」
「どういうことだ?」
「萌ちゃんを男子が泣かせたの。だからボコボコにしたんだ。その後、お父さんが呼び出されて面倒くさかった。でも五対一で勝ったんだよ。すごいでしょ」
「美緒ちゃんは強いな。友達を守ったのは立派。けどな、ボコらずに解決させた方がよかったな。平和的解決方法、今度教えてやるよ」

よく見れば膝だけでなく、手の甲や首にもひっかき傷がある。
美緒が活発すぎる女の子だというのは、この一週間でなんとなく理解していた詩織だが、平然と交わされる矢城との会話には驚いていた。

(私なら、男の子たちと怪我をするほどの喧嘩をしたと聞いたら慌ててしまう。矢城先生の落ち着きっぷりを見る限り、たまにあるということなのかな……)

そこに、玄関ドアがまた開いて、息を切らせた男性が入ってきた。
少々よれたスーツ姿で、気弱そうな垂れ目の三十四歳。
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