エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
彼は美緒の父親の細貝である。
娘が矢城の膝の上にいるのを見て、慌てて駆け寄った。
「先生、いつもお仕事の邪魔をしてすみません。こら、美緒、下りなさい」
「やだー。矢城先生は駄目って言わないもん」
矢城の腰に両腕を回してしがみつく美緒と、その腕を解こうとしながら、ペコペコ頭を下げて謝る細貝。
詩織はクスクスと笑って、三日前に細貝から聞いた話を思い出していた。
それは六年ほど前、美緒が三歳だった時のこと。
当時、細貝には妻がいて、三人で別のアパートに暮らしていたそうだ。
自己評価として細貝は、なにをしてもダメな男で、仕事でミスを重ねてはクビにされ、次の働き口を探すというのを繰り返していた。
現在もそれは変わらず、真面目で一生懸命に働いているのに、どうしても人より失敗が多いらしい。
当時の妻は細貝に愛想をつかして他に恋人を作り、離婚届を書いて出ていってしまった。
幼い美緒は再婚の邪魔になるからと残された。
住んでいたアパートは妻名義であったため解約され、少しばかりあった預金は、みんな妻に持っていかれた。
頼れる親戚もいない細貝は、途方に暮れたという。
娘が矢城の膝の上にいるのを見て、慌てて駆け寄った。
「先生、いつもお仕事の邪魔をしてすみません。こら、美緒、下りなさい」
「やだー。矢城先生は駄目って言わないもん」
矢城の腰に両腕を回してしがみつく美緒と、その腕を解こうとしながら、ペコペコ頭を下げて謝る細貝。
詩織はクスクスと笑って、三日前に細貝から聞いた話を思い出していた。
それは六年ほど前、美緒が三歳だった時のこと。
当時、細貝には妻がいて、三人で別のアパートに暮らしていたそうだ。
自己評価として細貝は、なにをしてもダメな男で、仕事でミスを重ねてはクビにされ、次の働き口を探すというのを繰り返していた。
現在もそれは変わらず、真面目で一生懸命に働いているのに、どうしても人より失敗が多いらしい。
当時の妻は細貝に愛想をつかして他に恋人を作り、離婚届を書いて出ていってしまった。
幼い美緒は再婚の邪魔になるからと残された。
住んでいたアパートは妻名義であったため解約され、少しばかりあった預金は、みんな妻に持っていかれた。
頼れる親戚もいない細貝は、途方に暮れたという。