エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「なんだ、お前も結構、張り切ってるじゃないか。俺と詩織ちゃんの子は幸せだな。養育希望者がこんなにいて。大家族みたいだ」

ニコニコして聞いていたナワポンが、「まずは子作りね」と指摘を入れるから、笑ったり照れたりと、賑やかなひと時になった。


三日が経ち、詩織の実家に挨拶に行く日となった。
詩織と矢城は今、タクシーに揺られている。
新幹線で仙台駅まで行き、電車に乗り換えて一時間弱、そこからさらにタクシー移動というなかなか遠い道のりである。

山裾に広がる田畑は青々と豊かで、その合間に民家が数軒ずつ、身を寄せ合うようにして建っていた。
空は東京より澄んだ青色に見えた。

「俺の実家は都市部だが、こういう所へくるとなぜか郷愁を覚えるな。詩織ちゃんはのどかな町で育ったから、純粋なのか」

後部席の矢城が車窓を眺めながらそう言った。
隣に座る詩織は、彼の横顔を見つめて穏やかに笑む。

「東京に比べるとかなり田舎ですよね。でも過ごしやすい町です。しばらく畑が続いて、それが途切れて、私の実家がある町の中心部に入ります。この辺よりは建物がたくさんありますよ」

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