エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
細貝親子も詩織と同じ、ここのワケアリ住人というわけだ。
娘と父の攻防はまだ続いていた。
矢城は美緒を膝にのせたまま、天井に書類を掲げるようにして読んでいる。
下りろとも、このまま座っていてもいいとも言わず、やりにくそうに仕事をしている様子が面白い。
そこに、もうひとり帰宅者が。
「ただいま。みんな揃って賑やかだね。楽しいの、好きよ」
アハハと笑いながら入ってきたのは、ナワポン。
タイ出身の五十二歳の女性で、隣町にあるホテルの清掃やベッドメイクを仕事にしていると聞いた。
彼女も二階の一室を借り、ひとりで住んでいる。
白髪交じりの黒髪をひとつに束ね、少々ふくよかな体形のナワポンは、いつも明るいムードメーカーだ。
みんなの母親的存在でもあり、週に二、三度、夕食を作ってご馳走してくれる。
衝立の裏に食卓テーブルがふたつ置かれているのは、住人全員が集まって、彼女の手料理を楽しむためであった。
「今夜はタイ風海鮮鍋にするよ」と買い物袋を顔の高さまで持ち上げたナワポンに、矢城が財布から二万円を出して渡した。
「いつもすまないね。ナワポンさんの料理、うまいんだよな。今夜も楽しみだ」
娘と父の攻防はまだ続いていた。
矢城は美緒を膝にのせたまま、天井に書類を掲げるようにして読んでいる。
下りろとも、このまま座っていてもいいとも言わず、やりにくそうに仕事をしている様子が面白い。
そこに、もうひとり帰宅者が。
「ただいま。みんな揃って賑やかだね。楽しいの、好きよ」
アハハと笑いながら入ってきたのは、ナワポン。
タイ出身の五十二歳の女性で、隣町にあるホテルの清掃やベッドメイクを仕事にしていると聞いた。
彼女も二階の一室を借り、ひとりで住んでいる。
白髪交じりの黒髪をひとつに束ね、少々ふくよかな体形のナワポンは、いつも明るいムードメーカーだ。
みんなの母親的存在でもあり、週に二、三度、夕食を作ってご馳走してくれる。
衝立の裏に食卓テーブルがふたつ置かれているのは、住人全員が集まって、彼女の手料理を楽しむためであった。
「今夜はタイ風海鮮鍋にするよ」と買い物袋を顔の高さまで持ち上げたナワポンに、矢城が財布から二万円を出して渡した。
「いつもすまないね。ナワポンさんの料理、うまいんだよな。今夜も楽しみだ」