エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
詩織はふと仕事の手を止め、窓を見た。
擦りガラスなので景色は見えないが、シャワーをかけられたように濡れている。
この降りようだと街路樹の桜はすっかり散ってしましそうだ。
それを残念に思うより、今日は外出しないで済むことにホッとしていた。
(役に立ちたいから、役所関係に行く仕事は私がしたい。でも人の目が怖いから外出したくない。どっちも本心で困る……)
マスコミに追われたのは一週間ほど前のことで、あれから遭遇してはいないが、怯えながら外に出る日々が続いていた。
もっと精神的に強くなりたいと思い、詩織は息をつく。
それから意識をパソコンの画面に戻した。
今は債務整理に関する書類の作成中で、だいぶ慣れてきたとはいえ、赤沼が作ってくれた書き方の見本を確かめながらの作業である。
間違いがあってはいけないから、必要以上に慎重になる。
相談室のドアは開け放している。
足音が近づいてきて、「詩織ちゃん」と矢城が顔を見せた。
「はい」
「それ、どのくらいできてる? 余力があればもう一件、頼みたいんだが」
矢城が詩織の座る椅子の後ろに立ち、パソコンの画面を覗き込んだ。
擦りガラスなので景色は見えないが、シャワーをかけられたように濡れている。
この降りようだと街路樹の桜はすっかり散ってしましそうだ。
それを残念に思うより、今日は外出しないで済むことにホッとしていた。
(役に立ちたいから、役所関係に行く仕事は私がしたい。でも人の目が怖いから外出したくない。どっちも本心で困る……)
マスコミに追われたのは一週間ほど前のことで、あれから遭遇してはいないが、怯えながら外に出る日々が続いていた。
もっと精神的に強くなりたいと思い、詩織は息をつく。
それから意識をパソコンの画面に戻した。
今は債務整理に関する書類の作成中で、だいぶ慣れてきたとはいえ、赤沼が作ってくれた書き方の見本を確かめながらの作業である。
間違いがあってはいけないから、必要以上に慎重になる。
相談室のドアは開け放している。
足音が近づいてきて、「詩織ちゃん」と矢城が顔を見せた。
「はい」
「それ、どのくらいできてる? 余力があればもう一件、頼みたいんだが」
矢城が詩織の座る椅子の後ろに立ち、パソコンの画面を覗き込んだ。