エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
鞄に必要なものを詰め終えた矢城が、スマホを出してなにかを確認しながら答える。

「そのままでいいよ。詩織ちゃんはなにを着ても似合う。可愛すぎておっさんのハートを射抜かれそうだ」
(似合うかどうかじゃなく、場に相応しい服装かを聞きたかったのに……)

ともあれ、これでいいとのことなので急いで相談室に行き、ジャケットを着た。
詩織が用意する書類などはないようだけど、いつものショルダーバッグも持つ。
小走りに戻れば、矢城の前に赤沼が立ち、食ってかかるところであった。

「矢城先生はすぐそういうからかい方をする。浅木さんが先生に惚れたらどうするんですか」

どうやら赤沼は、『可愛すぎておっさんのハートを射抜かれそうだ』という、先ほどの矢城の言葉に腹を立てている様子。

(もしかして、嫉妬……?)

赤沼の恋心は知っているので、申し訳なく思いつつ、詩織はふたりに歩み寄る。
矢城は責められても平静である。

「なんだよ。お前も俺に可愛いと言われたいのか?」
「それは――」

男性でも童顔で可愛らしい人はいるだろうけど、赤沼はクールで知的な顔立ちである。
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