エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
一瞬返事に詰まった赤沼は、その後に顎に手を添え、考え出した。

「僕は可愛がられるより、可愛がりたい性癖だ。だが、矢城先生にならベタベタ甘やかされるのも悪くない。その時々で攻守を交代するのも刺激的でいいかもな……」

(あ、赤沼さん。独り言が漏れてますよ……)

矢城は聞こえなかったふりをして、玄関ドアに視線を振った。

「タクシーが来たようだ。行ってくる。赤沼だけで対処できないことがあれば連絡してくれ」

「今、手掛けている案件なら、わからないことはありません。僕の心配は無用ですから、きっちり決着つけてきてください。この先、二度とこの問題で、彼女が泣くことのないようお願いします」

(依頼者は女性で、その人が泣くほど困っているのかな。それをこれから解決しに行くの……?)

詩織にはさっぱりわからないが、矢城は赤沼に向けて好意的な笑みを浮かべていた。

「いい奴だな。赤沼のそういうところ、俺は結構好きだぞ」

途端に赤沼の頬が赤く染まった。
クールな彼のそういう顔を見るのは初めてのことで、つられて詩織まで頬が火照った。

< 74 / 245 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop