エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
ドアを開ける前に、矢城が詩織に振り向いて言う。
「マスクと眼鏡を外して」
「は、はい」
指示に従うと、矢城がやけに真剣な目をして詩織の肩に手を置く。
「つらいと思うが、一時間以内にかたをつけるから耐えてくれ」
詩織はハッとした。
(もしかして、今日の仕事って……私のこと?)
昨夜、遅くまで机に向かっていた矢城は、『依頼主のいない案件で、俺の勝手で進めている仕事』と言っていた。
加えて、出がけの赤沼との会話を思い返せば、あの不倫騒動について解決しようとしてくれているのだと、詩織はやっと気づいた。
蒸し返される恐怖と焦りで血の気が失せる。
矢城を止めようと口を開きかけたが、その前に矢城がドアをノックして開けてしまった。
背中に手を添えられるようにして、室内に誘われると……。
少人数用の会議室には、窓際に長テーブルがふたつ横並びにされ、三人が着席していた。
左から詩織の元交際相手、日洋テレビのプロデューサー、小関。
その妻であり有名女優である葉山裕子。
見知らぬ四十代後半に見える、スーツを着て眼鏡をかけた女性だ。
「マスクと眼鏡を外して」
「は、はい」
指示に従うと、矢城がやけに真剣な目をして詩織の肩に手を置く。
「つらいと思うが、一時間以内にかたをつけるから耐えてくれ」
詩織はハッとした。
(もしかして、今日の仕事って……私のこと?)
昨夜、遅くまで机に向かっていた矢城は、『依頼主のいない案件で、俺の勝手で進めている仕事』と言っていた。
加えて、出がけの赤沼との会話を思い返せば、あの不倫騒動について解決しようとしてくれているのだと、詩織はやっと気づいた。
蒸し返される恐怖と焦りで血の気が失せる。
矢城を止めようと口を開きかけたが、その前に矢城がドアをノックして開けてしまった。
背中に手を添えられるようにして、室内に誘われると……。
少人数用の会議室には、窓際に長テーブルがふたつ横並びにされ、三人が着席していた。
左から詩織の元交際相手、日洋テレビのプロデューサー、小関。
その妻であり有名女優である葉山裕子。
見知らぬ四十代後半に見える、スーツを着て眼鏡をかけた女性だ。