エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
弁護士にとっては小さな案件も、当事者にとっては大きな悩みだから力になりたいというのが矢城のスタンスだ。
大手法律事務所を辞めたのにはなにか理由があるのだろうかと考えたが、知り合ってまだ三月足らずの詩織にはわからなかった。
ただ、ひとつ思うことは、ドラマに出てくるような法廷で闘うヒーロー然とした弁護士より、町の人の味方である矢城の方が好きだということである。
(きっと細貝さんと美緒ちゃん、ナワポンさんも、今の矢城先生が好きだと言うはず。赤沼さんには申し訳ないけど、矢城先生には、ずっと今のスタイルでいてほしい……)
矢城へと逸れた気持ちは、自身の問題にすぐに引き戻される。
女性弁護士に方針転換の相談をされた葉山が、皆に聞こえるようにはっきりと言う。
「五十万の慰謝料は全額返金します。小関への請求はそちらの言い値でどうぞ。きっちり支払わせますから。謝罪させるのはもちろんのこと、不倫騒動の真相も私から発表します。マスコミを集めての会見で、この資料を使ってもいいかしら? もちろん性的関係を匂わせるメッセージは省くわよ。浅木さんに失礼のないような部分だけ使わせてもらうわ」
大手法律事務所を辞めたのにはなにか理由があるのだろうかと考えたが、知り合ってまだ三月足らずの詩織にはわからなかった。
ただ、ひとつ思うことは、ドラマに出てくるような法廷で闘うヒーロー然とした弁護士より、町の人の味方である矢城の方が好きだということである。
(きっと細貝さんと美緒ちゃん、ナワポンさんも、今の矢城先生が好きだと言うはず。赤沼さんには申し訳ないけど、矢城先生には、ずっと今のスタイルでいてほしい……)
矢城へと逸れた気持ちは、自身の問題にすぐに引き戻される。
女性弁護士に方針転換の相談をされた葉山が、皆に聞こえるようにはっきりと言う。
「五十万の慰謝料は全額返金します。小関への請求はそちらの言い値でどうぞ。きっちり支払わせますから。謝罪させるのはもちろんのこと、不倫騒動の真相も私から発表します。マスコミを集めての会見で、この資料を使ってもいいかしら? もちろん性的関係を匂わせるメッセージは省くわよ。浅木さんに失礼のないような部分だけ使わせてもらうわ」