都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「仁奈、ここどう?」

「貸切露天風呂……いいですね」


私が髪を乾かす間いろいろ見てくれていた佐久間。
リビングに戻ったら何種類か旅館をピックアップしてくれていた。
その後意見を出しながら話し合って、行先は箱根の旅館に決まった。


「あ、まだ一室空いてるっぽい。ラッキー」


心なしか佐久間もルンルンに見える。
初めてだもんね、お互いにとっていい旅行になったらいいな。


「よし、予約取れた」

「ありがとうございます、お金は当日でいいですか?」

「は?まだ出すつもり?そういうのめんどくさいって言ったろ」

「だって、佐久間さんの『やりたいこと』がなんなのか分からなくて怖いです」

「それは当日まで秘密〜」


ニヤニヤ笑う様子から絶対ろくなこと考えてないって分かる。
でも私はきっと佐久間のお願いを拒まないだろうな。
それだけ好きだもん、悔しいけど。




結局佐久間のしたいこと、とやらが分からないまま当日を迎えた。
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