都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「で、メールは?」

「メール?」

「朝イチで送ったメールに返信が来てない。午前中までに返信するようお願いしてたけど間に合う?」


能天気な広報部にイラッとしたけど笑いながら優しく質問する。
すると新卒の女が突然立ち上がって自分のパソコンを確認しだした。


「す、すみません。私が見落としてたかもです!」


はいはい、だろうと思ったよ。
するとそのデスクに雑談してた連中がわらわら集まる。
お前らヒマか?自分の仕事はどうした。


「うわ、これ上に確認取らなきゃいけない案件じゃん。
部長会議中だっけ?」

「そうなんです。もう11時なのに……ど、どうしよう……」


どうしようじゃねーわ。そこは社会人なら申し訳ありませんでしたの一言くらい言え。
もう入社して半年経つぞ、大丈夫かこの新卒。


「いつ確認取れそう?」

「えっと……13時には」

「分かった、こっちは大丈夫だから確認取れたら内線して」

「は、はい。ありがとうございます!」


いや、なんでありがとう?モヤモヤするけどツッコミを入れたら負けな気がする。
引きつった愛想笑いを顔に貼り付けてその場を去った。

あー、仁奈に会いたい。今どこで何してんだろ。
昼休憩の時会えるかな。けどオフィスを縦横無尽に動き回って行方不明な時あるからウケる。
スマホもロッカーに置くから連絡取れねーし。

仕方ないから帰ったら甘えよ。
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