都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「仁奈……にーなちゃん」


佐久間の声がする。
最悪だ、夢にまで佐久間が出てくるなんて。


「おはよ」

「……」


ところが目を開けたら佐久間の綺麗な顔が視界に飛び込んできた。
……もしかして夢じゃない?


「……女子の寝顔覗き込むなんてさいてーです。出ていってください」

「そんなふにゃふにゃ喋られても怖くねーわ」


寝顔を見られたのが恥ずかしくてもぞもぞ潜り込んだら頭を撫でられた。
佐久間の手、結構好きかもしれない。


「ご飯できてるから早くおいで」

「え?」


眠くてあっちこっちに飛ぶ思考。
だけど佐久間のその言葉にビックリして布団をひっぺがした。


「知ってる?今11時なの。さすがに腹減って起きた」

「買ってきてくれたんですか?すみません」

「いや、俺が作った」

「はぁ!?」

「勝手に冷蔵庫開けてごめんね?」


私の驚いた声を怒ったと勘違いして謝る佐久間。
いや、違うんだよ。私は佐久間が料理ができることに驚いただけ。

やっぱり意味わかんない。
付き合ってもないのに、なんなのこの男。
< 28 / 263 >

この作品をシェア

pagetop