都合のいい女になるはずが溺愛されてます
……え?



「え〜、なんだいるんだぁ」

「ほら言ったじゃん。イケメンなんだから絶対いるって」


突然鈍器で殴られたみたいな衝撃が走る。

なにそれ、佐久間って彼女いたの?
え、いつから?それって、あの日メッセージ送ってきたあの子のこと?

疑問だらけの頭の中。だけど目の前の佐久間に質問はできない。
結局自分はただの遊び相手だって気がついたから。

あれだけ近い距離にいたはずの佐久間が遠く感じる。

あ、今の私……すごくみじめだ。



「遠藤さん、大丈夫?」

「あ、ごめんなさい。飲みすぎちゃったみたいで……ちょっと、お手洗いに行ってきます」


フラフラ立ち上がってその場を離れる。

ダメだ、今泣いちゃダメだ。
こんな所で泣いたら絶対佐久間にバレる。

……いや、佐久間にとって私はどうでもいい相手だったんだから泣いたって関係ない?
でもこれは私の問題でしょ?泣いたら負けだ。

泣いたら、佐久間のことが好きだと認めることになってしまう。
泣くなら帰ってから泣こう、そう決めて必死に泣くのを抑えた。
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