都合のいい女になるはずが溺愛されてます
信じられない。その発言自体が嘘なんじゃない?

それにもう佐久間には懲りた。
クズ男に振り回されるのはうんざりだ。
だから掴まれた手を早く振りほどきたいのに力を緩めてくれない。


「正直さ、やばいと思ったんだよね。
彼女いるって言った瞬間仁奈の顔が強ばったから。
あー、こりゃ真に受けたなって」

「……」

「あの後、トイレ行くふりして仁奈にメッセージ送れば良かった。ごめん」

「なんで、謝るんですか?」


他に女はいるはずだから私のことなんて捨てればいい。



「だって俺は今のところ、仁奈だけだから」



そう思ってたのに、そんなこと言われたら弱った心が揺らいでしまう。

でも『今のところ』と強調するのが佐久間らしい。


「意味が、分かりません。彼女いないからって、なんですか?
私には、関係ないです……」

「もしかしてスマホ見た?」


強がる私に質問してきた佐久間。
酔いのせいかすぐ答えられなかった。


「この前泊まったあたりから素っ気ないのってそれが原因?」

「や、別に……」


佐久間は私の腕を掴んだまま、反対の手でポケットからスマホを出した。
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