都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「見て、今日はもともと仁奈ん家来るつもりだったから着替え持ってきた。だから一緒に洗って」


片手に何か持っていると思ったらパンツだ。
いや、なんの報告?


「佐久間さんのパンツと一緒に洗いたくないです」

「はぁ?思春期の娘か」


酔っておかしくなっていると思ったらツッコミを入れるだけの余力はあるらしい。


「冗談ですよ、お風呂入る時に洗濯カゴ入れといてください」

「はーい」


陽気に返事をされて調子が狂う。
酔って上機嫌の佐久間は、ますます実家の犬に似てかわいい。

おかしいな、つい1時間前まで佐久間が残したもの全部捨ててやるつもりだったのが自分でも信じられない。

なんでクズのくせに惹かれるんだろう。
その謎が解けたら苦労しないのに。


「お湯たまったらお先にどうぞ」

「なんで?一緒に入ろうって言ったのに」


先にお風呂に入るように促したら不満そうな顔をされた。
酔った勢いで言ったと思ってたのに覚えてたんだ。


「嫌なら無理やり連れていくけど、どうする?」

「じゃあ先に入るので呼んだら来てください。勝手に入ってこないでくださいね!」

「珍しく焦っちゃって、かわいい」


そりゃ焦るよ、だって目が本気だった。
佐久間にはもう一度、いいと言うまで来るなと念を押してから先にお風呂場に向かった。
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