都合のいい女になるはずが溺愛されてます
そんな時間までぶっ続けはさすがにお互いキツイ。
佐久間は疲れた、と呟いて大の字で寝転んでから全く動かない。
寝たかなと思って風邪をひかないように毛布をかぶせて私も一緒に潜り込む。

でもなぜか寝付けない。仕方ないからお風呂に入るために毛布から出ようとしたら、佐久間が体勢を変えた。


「仁奈、起きてる?」


とっさに目をつぶったらバレなかった。
もう疲れてるから寝ているフリをさせてほしい。

佐久間はベットの端で寝ている私を抱き枕みたいに扱って脚を絡ませてくる。
しばらくその体勢でいた佐久間は、私の耳元に顔を近づけてきた。




「ねえ、どうしたら俺に落ちんの?」




……この男は、いったい何を言ってるんだろう。
その言葉を理解するまでかなり時間を要した。

だって、佐久間が欲しいのは後腐れしない女なのに。
割り切った関係を望んでるなら私の気持ちなんて必要ないじゃん。

心まで佐久間に落ちたら今度こそおしまいなのに。

意味がわからなくて狸寝入りを決め込んだ。
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