都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「今日は珍しいことばっかり起きる。
仁奈が初めて俺に予定を聞いてきた」

「そうですか?」


予定聞くの初めてだっけ?そんなに無頓着だったかな。
それより、束縛されるの嫌いそうなのになんで嬉しそうなんだろう。


「うん、なんかやりたいことでもある?」

「あ、いや……ただ、今日の夕食は私が頑張ろうと思って」

「作ってくれんの?じゃあ今日俺ん家泊まりくれば?」


あれ、ひとりになりたいから自分の家帰りたいってことじゃないの?


「いいんですか?」

「別にいいよ。俺ん家のキッチンここより広いから使いやすいと思う」

「……」

「ごめん嫌味じゃないって、そんな顔しないで」


狭くて悪かったな、とひねくれた心の声が顔に出ていたらしく佐久間に笑いながら謝られた。


「今日の夜楽しみ」

「……頑張ります、オムライスとハンバーグと唐揚げ」

「一気に作んなくていいって。また今度作ってよ。今日は唐揚げの気分」


佐久間とは今度の保証ができないから作るなら全部作ろうと思ったのに。
なんで『また今度』を約束しようとするんだろう。

笑顔の裏の本心はやっぱり分からなかった。
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