都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「佐久間さんの家に行くなら今から準備します」

「ゆっくりでいいよ。俺二度寝するから」


佐久間はサンドイッチの最後の一口を頬張って立ち上がった。
お皿を持ってキッチンに向かおうとしたけど、不意に私を見下ろしてきた。


「明日デートしたいからかわいい服着てほしい」

「へ?」


佐久間の口からデート、の単語が出てきたのはこれが2回目だ。
お互いの家でダラダラするのが今までの流れだったから、佐久間に出かけたい気持ちがあったと知ってびっくりした。

それより『かわいい服』とは?
佐久間のタイプ知らないから理想が分からないんだけど。

聞いた方が早いかなと思って食事を中断する。
クローゼットから最近買ったワンピースを取り出して、キッチンで洗い物をする佐久間に見せた。


「明日このワンピース着ます」

「いいんじゃない?露出少なめで」


かわいい服と言っておいて気にするのは露出の部分?
どっちにしてもまだ春だから露出多めは寒いし。


「佐久間さんお母さんみたいなこと言いますね」

「え、仁奈に露出高めの服着てほしくないこの気持ちって母性?」

「知りませんけど」


ボケる佐久間に真顔で言い放ったら「なんで急にドライ?」と首を傾げてちょっとかわいかった。
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