都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「あれ、仁奈の手作り?」

「はい、食費の節約のために。
……若い子には所帯じみておばさんくさいって言われましたけど」

「若い子って誰?あの新卒?」

「なんでそう思ったんですか」

「あいつら口を開けば悪口か男の話しかしねえもん。大方そうだろうと思った」


私におばさんくさいと言った犯人を瞬時に当てられた。
関わり少ないのによく分かったな。

やっぱり佐久間は結構、人を見てると思う。
人付き合いの上手い人は相手をよく観察しているっていうし。
そこが人たらしの要因なんだろうけど。


「仁奈、割と上の人間に気に入られてるんだから直接言えば?」

「……はい?」


顔を上げたら佐久間は真面目な顔をしていた。


「何を言うんですか?」

「あの新卒がウザイって部長クラスの上司に言えば?
あいつら調子乗りすぎ、仁奈が言ってくれたら俺もスッキリして一石二鳥」

「別に気にしてないし大丈夫です」

「ほんと?仁奈と仲良くなるまではその澄ました顔と態度が気に食わねーって思ってたけど今は心配になる」

「……素直ですね、佐久間さんって」

「俺、割となんでも素直だと思うけど」


すると佐久間はふざけた笑い方で「でも仁奈はベットの上じゃないと…」なんて言い出したので思いっきり手の甲をつねってやった。
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