都合のいい女になるはずが溺愛されてます
「で、明日どこに行きたいんですか?」
「あのねー……ここ」
佐久間はポケットからスマホを取り出して画面を見せてきた。
「水族館?」
「うん、イルカの赤ちゃん生まれたらしいから見に行きたい」
佐久間の口からイルカの赤ちゃん、という単語が出てきて戸惑った。
意外、そういうの興味あるんだ。
「かわいいこと言いますね」
「かわいい?よく分かんないけど水族館は昔から好き」
「水族館デートは佐久間さんの中で定番ですか?」
「いや、仁奈が2回目」
そこはクズなら初めてだよ、と笑顔で嘘をつくところでは?
包み隠さず言ってしまうところが佐久間らしい。
本当に良くも悪くも素直なんだ。
「俺、ああいう所ではしゃぐ女苦手で」
「イルカショーとか?」
「そうそう、イルカショーで『かわい〜すご〜い』って騒いでマジでウザかった」
「理不尽すぎません?」
「度を超えたリアクションは誰だって嫌だろ。
どーせ“かわいいって言ってる自分が1番かわいい”と思ってんだろ」
確かに女の『かわいい』ほど当てにならないものはない。
「その点仁奈は、はしゃがないで静かに見てそう」
「どうでしよう。タカアシガニはテンション上がりそうです」
「なんでカニ?よりによってカニ?」
「おいしそうじゃないですか」
「真面目な顔でボケるのやめろ」
吹き出すように笑いだした佐久間はそれから喋ろうとしない。
その横顔を見たら口元を押さえて小刻みに震えている。
どうやらツボに入ったらしい。
「でもタカアシガニは大味らしいから普通のカニが食べたいです」
「そんなにカニ好きなの?俺も好き、今度カニ食べに行こ」
「いいですね」
いいですねと返答して後悔した。
あーあ、また約束しちゃった。次に会える保証がないから嫌なのに。
でも佐久間が「カニカニ〜」と変な歌を歌いだしてなんかどうでもよくなった。
「あのねー……ここ」
佐久間はポケットからスマホを取り出して画面を見せてきた。
「水族館?」
「うん、イルカの赤ちゃん生まれたらしいから見に行きたい」
佐久間の口からイルカの赤ちゃん、という単語が出てきて戸惑った。
意外、そういうの興味あるんだ。
「かわいいこと言いますね」
「かわいい?よく分かんないけど水族館は昔から好き」
「水族館デートは佐久間さんの中で定番ですか?」
「いや、仁奈が2回目」
そこはクズなら初めてだよ、と笑顔で嘘をつくところでは?
包み隠さず言ってしまうところが佐久間らしい。
本当に良くも悪くも素直なんだ。
「俺、ああいう所ではしゃぐ女苦手で」
「イルカショーとか?」
「そうそう、イルカショーで『かわい〜すご〜い』って騒いでマジでウザかった」
「理不尽すぎません?」
「度を超えたリアクションは誰だって嫌だろ。
どーせ“かわいいって言ってる自分が1番かわいい”と思ってんだろ」
確かに女の『かわいい』ほど当てにならないものはない。
「その点仁奈は、はしゃがないで静かに見てそう」
「どうでしよう。タカアシガニはテンション上がりそうです」
「なんでカニ?よりによってカニ?」
「おいしそうじゃないですか」
「真面目な顔でボケるのやめろ」
吹き出すように笑いだした佐久間はそれから喋ろうとしない。
その横顔を見たら口元を押さえて小刻みに震えている。
どうやらツボに入ったらしい。
「でもタカアシガニは大味らしいから普通のカニが食べたいです」
「そんなにカニ好きなの?俺も好き、今度カニ食べに行こ」
「いいですね」
いいですねと返答して後悔した。
あーあ、また約束しちゃった。次に会える保証がないから嫌なのに。
でも佐久間が「カニカニ〜」と変な歌を歌いだしてなんかどうでもよくなった。