Favorite Love~本命は一番近くにいた~
「つい、手すべっちゃった。」

ニヤリと笑った。

「悪いのは結菜さんだよ。わたしの通り道にいるからじゃん。まっすぐ歩いてただけだし。」

きっと卵買うのもセール品狙って買ってる庶民の気持ちなんて全然知らないに違いない。
卵割れたくらい何?って思ってるのだ。

くそーっ…

怒りがふつふつとこみあげてくる…

けど、ここで感情に任せて怒っちゃうと七未さんの思うがまま…
それは絶対避けなきゃ…

わたしはエコバッグを拾い上げると、片手を前に差し出した。

「どうぞ。通ってください。わたし後ろ行きますから。」

これ以上買ったものをダメにされるのはごめんだ。

「やだ。そっちが先に歩いてたんだから先行きなさいよ。」

ったく…なんつうわがまま…。
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