Favorite Love~本命は一番近くにいた~
「あら、これ嫌いなやつだわ。」

お母様がわたしの最中を見て、剣のある一言を述べた。

「あ、それは申し訳ありません。最中がお嫌いとは知らず…次回からは気をつけます。」

理輝に聞いとけばよかった…。

「次回?そんなものあるのかしら?」

あ…そう来たか…。

「…そうですね。もしあればってことで…。」

取り繕って笑ってる自分が嫌になる…。

一瞬でみんなの空気が悪くなった。


「母さん?お正月だよ?もうちょっと笑って笑って。」

智輝さんはお母さまの後ろから肩をもみほぐすマネをした。

「あら、智輝。けれど、ふつうは持ってくる前に確認するものじゃなくて?それもできない女なんて理輝の彼女にふさわしくはないわ。」

う…
それを言われたら反論できない…。

「そうは言ってもはじめてのことなんだからさ。まぁそんなに怒らなくてもいいじゃないか。」

「怒るのとはちがうのよ。常識でしょ?」

「申し訳ありません。」

この場に恵梨香さんもいないのがつらかった。
恵梨香さんがいたら、きっと横でちょっとくらい、力になってくれそうなのに…。

恵梨香さんは子どもたちを寝かしつけにとなりの部屋に入ったままだった。
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