エリート外科医は最愛妻に独占欲を刻みつける
親に連絡を入れたことにより、私と大哉さんの結婚はすっかり決定事項になり、彼は私に一緒に暮らしてほしいと何度も言った。
それはもう、何度も。
職場にそう遠いわけでもないし、間もなく結婚するならその方がいいかと私も思い、日用品や服をちょっとずつ移動させていくことにした。
大哉さんは話をした翌日には、なんと婚姻届けを役所のホームページからダウンロードしてきていた。私の両親への挨拶が終わったら、すぐに出せるようにと用意周到に整えている。
そんな姿を見ると、本当に喜んでくれているのだなあとうれしい反面、どうして私などに……と不思議な気持ちは今でもある。だけど、疑う余地がないほど態度と言葉で彼は示してくれていた。
そうやって全部が結婚に向かって進むことが決まってから、いよいよ産婦人科の診察を受ける日が来た。
なるべく早く、と彼が言ってくれていたのだが、いくらなんでもすでに予約の入っているところに割り込むわけにはいかない。
夕方診の時間で、私も仕事が終わってからすぐに向かえば間に合う時間だったので、その方が助かった。
あらかじめ大哉さんが受付をしてくれていたので、産婦人科の診察室まで直行する。彼は患者さんの診察が押したようでまだいなかったけれど、私が内診を受けている間に来てくれた。
すごく、ドキドキした。もしかしたら、ちいさな卵みたいな赤ちゃんが見られるかもしれないと思ったのだ。
だけど……そうはならなかった。
「ホルモンバランスが崩れているのかもしれないわね。急にストレスがかかったり、激しいダイエットをしたりしなかった?」
年配の優しそうな女性の医師、竹本先生は優しく問いかけてくれる。私は、すっかり意気消沈していた。
猫背になる私の背中を、大哉さんが励ますように撫でている。