エリート外科医は最愛妻に独占欲を刻みつける
結果はものの数分で出る。陰性だったが、それでほっとできるものでもなかった。結局これでは“今は陽性反応が出ていない”ということしかわからない。
だけど身体が、いつもと違うことは感じている。こんなに何日も生理が遅れて、兆しすらないのは陽性であることの証拠のように思えた。
――どうしよう。
大哉さんに、相談する? いや、本当に妊娠なら相談するべきだ。だけど信じてくれるだろうか。
あの夜だけだ。それに、途中からは私もよくわからなくなったけれど、一番最初彼はきっちりと避妊をしてくれていた。
眠ってしまうまで何度も抱かれたけれど、都度ちゃんと付け替えていたのも覚えている。
なのに、信じてくれる? 伊東先生との間ではありえないということも、説明したらわかってくれるだろうか?
どくん、と重く心臓が音を立てる。もしも信じてもらえなかったら。彼は、私をどんな目で見るだろうか。
伊東先生と私が付き合っていたのを承知の上で、彼は私を好きだと言ってくれた。だけどさすがに、妊娠は想定外のはずだった。たとえそれがどちらの子だったとしても。私がいくら、あなたしかありえないと言っても、証明のしようがない。
そういえば、そもそも、避妊ってどれくらいの成功率なんだろう。生理が遅れているなら排卵日が遅れていた可能性もある? だとしたら……。