初対面の男の人とルームシェアリング始めました。
陽葵と蓮のアパートから新宿までは、電車で2駅。すぐに着いた。

「デパートのアクセサリー売り場、でいいのかなぁ?」

「うん、と思う。でも、結構、値段、するかもよ?」

「陽葵は、そんなこと気にしない!!」

蓮が陽葵の頭をくしゃくしゃ、とした。

しばらくの間、いろいろなアクセサリーショップを見て歩いた。その中で陽葵と蓮が気に入ったのが、中央でツイストの入っているプラチナリングだった。

「可愛いけど・・・プラチナ!?結婚指輪でもないのに贅沢だよね」

「結婚するときに、左指に合わせて調整すればいいじゃん。今は右指で」

どきんっ。結婚!?蓮くん、そんな未来(さき)のことまで考えてるの・・・なんて、思ったら、陽葵は真っ赤になった。それを見て蓮は

「僕は、君が好きだよ。陽葵は結婚とか、考えないの?」

「・・・っっ!!そりゃあ、考えないこともないけど・・・出逢ったばかりじゃない、私たち」

「一目惚れだったし・・・今はべた惚れってやつ、かも」

今度は蓮が真っ赤になった。

ショップ店員さんがそんな2人の様子を見て、ほっこりしているようだ。

「刻印、入れられますけど、どうします?」

「結婚が決まったときに、改めて入れられますか?」

蓮が、体勢を取り戻して言った。そうだよね、結婚の記念、ってした方がいいよね・・・なんて、陽葵は隣でほわぁん、と思っていた。

「もちろんです。この刻印用紙に記入して、いつでも当店にお持ちください。サイズの変更は・・・しなくてよさそうですね」

店員さんが笑顔で言った。蓮くんがクレジット一括払いで料金を支払い、2人の右薬指にペアリングが光った。
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