あの日の恋は、なかったことにして
「……猪狩くんが、私のこと好きって言ってくれて嬉しかった。一緒にドライブした日、朝になったら猪狩くんがいなくなってて、ものすごくショックだったんだよ? ヤリ逃げされたって」
「あのときはマジでごめん。最悪だったよな、俺。謝ってもダメだよな」
私は顔を上げた。
そして、彼を安心させるようににっこり笑ってみせた。
「謝罪よりも、もっと聞きたい言葉があるよ」
「なんでも言う」
「じゃあ、言って。何度でも言って。私が聞きたい言葉、わかるでしょ?」
すると、猪狩くんは私の頬にそっと手のひらをあてた。
慈しむように唇をなぞり、それからためらいがちにキスをした。
「好きだ、すず。この気持ちは、これからもずっと変わらないって自信を持って言える。友達からでいいから、すずも俺のことを好きになって」
「うん」
本当はもうとっくに好きだけど、その言葉は、シンガポール旅行のお土産にとっておこう。
「あのときはマジでごめん。最悪だったよな、俺。謝ってもダメだよな」
私は顔を上げた。
そして、彼を安心させるようににっこり笑ってみせた。
「謝罪よりも、もっと聞きたい言葉があるよ」
「なんでも言う」
「じゃあ、言って。何度でも言って。私が聞きたい言葉、わかるでしょ?」
すると、猪狩くんは私の頬にそっと手のひらをあてた。
慈しむように唇をなぞり、それからためらいがちにキスをした。
「好きだ、すず。この気持ちは、これからもずっと変わらないって自信を持って言える。友達からでいいから、すずも俺のことを好きになって」
「うん」
本当はもうとっくに好きだけど、その言葉は、シンガポール旅行のお土産にとっておこう。