甘やかし上手なエリート医師に独占溺愛されています

「遥ちゃんが娘になってくれたら嬉しかったのになぁ。お義父さんでもいいけど、パパって呼ばれるのも捨てがたいね」
「おぉ、いいなぁ。そしたら俺の義理の姪っ子ってことだ」
「『パパ、夕食作りすぎちゃったんで一緒にどうですか?』みたいなねぇ」

遥を気に入っているあまり暴走した妄想を繰り広げる中年兄弟に釘を刺す。

「盛り上がってるとこ悪いですけど。遥は俺のですから。義理の娘にも姪にもなりませんよ」

『愛されキャラ』の異名は伊達じゃない。彼女は老若男女問わず誰からも愛される。それだけに俺の気苦労はこれからも絶えることはなさそうだ。

「独占欲の強い男は嫌われるぞ」
「そうだそうだ」
「ほっといてください」

2対1の構図で争っている男3人が滑稽だったのか、遥はクスクスと声を上げた。

「でも、私にとってクマ先生はおこがましいですけどお父さんみたいな存在です。物心ついた頃には父はいなかったので、よくお話するたびにお父さんってこんな感じかなって思ってました」

医師の間では泣く子も黙る鬼の熊澤と言われていた先生も、遥にしてみれば穏やかで優しい父親像そのものらしい。

「クマ先生のおかげでこうして悠さんとの結婚を報告出来るし、美味しい中華そばをごちそうしてくださる信さんとも出会えました」
「遥ちゃん」

素直な彼女の言葉に、熊澤先生や信さんだけでなく、俺まで胸に込み上げるものがある。

「幸せになりなさい。2人で」

ふざけていた表情を引っ込めて真剣な瞳を向けて遥と俺を見つめる熊澤先生に、俺は誓いを立てるように大きく頷く。

「はい。必ず」

隣で俺を見上げ嬉しそうに微笑む遥の笑顔は、耳に煌めくダイヤのピアスよりも光り輝いていた。




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