死なないあたしの恋物語
こういうことが多いから、魔女疑惑を持ち出されることになったんだ。


「あ、えっと。先輩はサッカー部で有名なので」


「そんなに有名かなぁ?」


「はい、有名ですよ!」


「ははっ。そっか、ありがとう」


慌てて言い訳をして何とか難を逃れることができた。


ホッと安堵のため息を吐き出す。


「君、名前は?」


「あ、あたしは……」


途中で言葉を切って洋人君を見つめる。


洋人君は笑みを浮かべ、小首をかしげている。


「あたしの名前は浅海千奈です」


「千奈……?」


一瞬、洋人君の表情が険しくなるのがわかった。
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