癒しの君と炎の王 2~炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中~
大男は、

「ま、参った…。」

と、喉に突きつけられた鋭い刃に怯えながら、負けを認めた。

「アイス、下がれ。」

と、ビアンカ女王が言うと、アイスはスッと体を起こし、ナイフを直すと元居た場所に控えた。

バスク王子はその場を取り繕う為に、大袈裟にパチパチと拍手をしながら、

「さすが戦闘民族の国!男も女も関係ない。素晴らしい強さだ!」

と、絶賛した。そして続けて、

「皆様方、長旅のところお疲れでしょう。部屋を用意しよう。夜にはささやかながら晩餐会を開くので、それまでゆっくりと休んでくれ。」

と、誘った。するとビアンカ女王は、

「晩餐会には出ない。」

と、誘いを断った。

「では、せめて1日だけでもこの国でお過ごしください。風の国のことを知って欲しいのです。国を案内する者をお付けしましょう。」

と、言うと

「それも不要だ。この国の地図さえくれればそれで良い。1日だけ世話になることにする。」

「分かりました。」

と、バスク王子が諦めて言うと、水の国の騎士団長が口を挟んだ。片膝を着き、胸に手を当てながら、

「ビアンカ女王、先程の部下の非礼、お詫び致します。ここは、和睦の為にも、是非晩餐会にご出席いただけないでしょうか?」

謝罪の言葉を聞き、ビアンカ女王は少し考えた後、

「分かった。」

と、答えると、マントを翻し、玉座の間を後にした。
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