癒しの君と炎の王 2~炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中~

晩餐会

長いテーブルの1番奥に、バスク王子が座り、その両隣を、ビアンカ女王と水の国の騎士団長がそれぞれ座っていた。

軽い乾杯から始まり、晩餐会は和やかに進んでいた。

ビアンカ女王がワイングラスを揺らしながら、バスク王子に、

「バスク王子、以前の傲慢な態度や刺々しさはどうしたのだ?まるで別人のようだ。」

と、問いかけた。バスク王子はその問いかけに、笑顔で、

「美しいビアンカ女王を前に緊張しているだけですよ。」

と、答えた。
ビアンカ女王はそれを聞くと、ふっと、軽く笑ってから、

「風の噂で聞いているぞ。ロズウェル王にしてやられたと。」

そう言われ、バスク王子は食べていた物を喉に詰まらせ、ゴホゴホと咳き込んだ。そして、咽せながらも、

「ど…どんな噂が?」

と、聞き返した。

「いやいや、うちの魔女から少し聞いただけだ。噂にはなっていないから安心されよ。」

と、慌てた様子のバスク王子に微笑んだ。

「南の魔女か…。魔女同士は結託が強いから困ったものだ。まぁそれならあらかた聞いているのでしょう。風の国の為に少し考え方を変えただけですよ。」

「なるほど。良いことだ。」

と言うと、ビアンカ女王はグラスのワインを飲み干した。
< 54 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop