癒しの君と炎の王 2~炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中~
続けてリンデルが、

「先程、ベルデと話がついた。土の国の女王達は明日の午後には帰国するらしい。真夜中の12時にお前達を魔方陣から風の国に送る。」

「えっ?どういうことですか?」

と、ソフィアがリンデルに聞くと、リンデルは、丁寧に説明を始めた。

「ああ、そうだった。すまないね、ソフィア。もう夜だから普通なら出発は明日の朝になるだろう?そしたらシルバーは、その恋人と入れ違いになる可能性がある。だから、魔法でお前達4人を風の国に送るんだよ。それなら一瞬で向こうに着くからね。」

「魔法ってすごいのね!」

と、ソフィアが無邪気に言った。

「いや、この魔法は送る側と受ける側が同時刻に魔法を使わないと出来ないからね、難しい魔法だよ。」

「そうなのね!」

と、ソフィアはわくわくが止まらない様子でリンデルと話していた。その様子を不安そうに見ていたロエルが、

「ソフィアは一緒には行かない。ここで待っていてくれ。」

と言った。

「え?どうして?私も行くわ!」

「ダメだ!」

「そうやっていつも私を置いていこうとして!」

ソフィアが怒り気味に言う。

「なぜ分からない?危険だからに決まっているだろう。」

ロエルは、ソフィアとは真逆で落ち着いた口調で言った。

「危ないからこそ、私も一緒にっ…」

と、そこまで言いかけたところで、リンデルが2人の口論を遮った。

「ソフィア!大丈夫!お前も一緒に送る。」

「は?何を勝手な!」

と、ロエルは驚いた。

「ソフィアには、ベルデに魔法の杖を届けてもらう。」

「それなら俺が運びます!」

と、ロエルが力強く言ったが、

「残念ながら、魔法の杖は男嫌いでね。女しか触れられない。それにもし何かあっても、お前達がいるし、ベルデもいる。心配はいらない。な、そうだろう?」

と言って、リンデルはロエル達に微笑んだ。

「もちろん、お守り致します!」

と、ハリスとシルバーが同時に答えた。

リンデルに逆らえないロエルは深い溜め息をついた。

…出来ることならソフィアを俺以外の者の目に触れぬよう閉じ込めておきたい…。

そう考えながら、まるで楽しいことが待っているかのように嬉しそうに話をしているソフィアを見つめていた。
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