癒しの君と炎の王 2~炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中~
円柱状に伸びた光はだんだんと弱まり、その中にロエル、ソフィア、ハリス、シルバーの4人の姿が現れた。
「成功だー!!」
「ワー!!」
と、周りから拍手が巻き起こった。
ソフィアも先程までまぶしくて眼が開けられなかったが、光りが徐々に弱まり、ゆっくりと目を開けると、景色が変わっており、さっきまで居たところと違うところにいる自分に驚いた。
す、すごいわ、魔法って。本当に一瞬で。
と、思っていると、ロエルが急にソフィアの腰に当てていた手に力を込め、グイッとソフィアの身体を引き寄せた。ソフィアはその勢いでロエルの胸に顔を埋める形になった。
その時、城の離れた棟からキラッと光ったと思うと、矢がソフィア目がけて飛んできたのだ。
バシッ!!
ロエルは咄嗟に反応し、ソフィアを守りながら、片手で飛んできた矢を掴んだ。
矢を掴んだロエルの手は、すぐに炎が吹き出し、一瞬で掴んだ矢を炭にしてしまった。
ぼとりと音を立て、真っ黒になった矢は地面に落ちた。
そして、ロエルの手はそのまま矢が放たれたと思われる方向に向けられると、手から火の玉が現れ、どんどん大きくなっていった。
「ストップ!!ストッープ!!!」
と、バスク王子が慌ててロエルに声をかけた。
「また城を壊すのはやめてくれ!!」
と、言われ、はっと我に返ったロエルが、
「すまない…。」
と、言うと、大きくなった火の玉がどんどん小さくなり消えていった。
それを見て安堵したバスク王子が、周りにいた兵士達に、
「すぐに、不審な人物がいないか確認せよ!」
と、指示すると、バタバタと兵士達が、走って行った。
そして、ロエルは、バスク王子と残った兵士達に
「この矢はどこの国の物か分かるか?」
と質問した。
皆は揃って地面に落ちている矢を見たが、首をかしげ困った様子で
「ここまで黒焦げですと…。」
と、苦笑いし、矢はどこの国の物か全く分からない状態だった。