癒しの君と炎の王 2~炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中~

「ウッ!!」

うめき声を上げアイスがシルバーの前で倒れ込んだ。
液体が撒かれた瞬間、咄嗟にシルバーの前にアイスが立ちはだかり、シルバーを庇ったのだった。
倒れたアイスの身体は液体が掛かったところが焼けただれたようになり、じゅわじゅわと音を立てながら、ゆっくりとその範囲を広げていく。

「アイスッ!!」

声を上げ、人の姿になったシルバーが真っ先にアイスを抱き上げた。

「どうしてっ…。」

シルバーは悔しそうに言うと、アイスはシルバーの頬にそっと手で触れると、

「あなたが無事でよかった…。」

と、弱々しい声で言った。

「ハハハッ!やはりその女も魔物だったか!この摩殺水は魔物にしか効かないんだ!」

と、騎士団長が笑いながら言った。

すると、騎士団長の周りに熱風が巻き起こり、身体がふわりと宙に浮いた。そして騎士団長はそのままドゴッと大きな音を立てて壁に激突してから落ちると、床で気絶していた。見るとロエルが手の平を騎士団長に向けていた。ロエルが力を使ったのだ。

「遅くなってすまない。ロズウェル王、後は私がやる。」

と、言ってベルデがやってきた。昨晩たくさん魔力を使った為、回復に時間がかかり、来るのが遅れてしまったのだ。

ベルデが魔法の杖を振ると、再び騎士団長は宙に浮いた。そしてまたクルクルと杖を振ると、騎士団長は逆さまにされ、そのまま揺さぶられた。すると、騎士団長のポケットから、先程使ったのと同じ小瓶が5本ほどぽろぽろと床に落ち、パリンパリンと音を立てて割れ、中の摩殺水が流れ出た。

バスク王子が、

「水の国の者を拘束せよ!」

と、言うと、

大きな声で兵士達が

「はっ!」

と返事をし、すぐに水の国の者達を拘束した。水の国の騎士、兵士達は抵抗する様子もなく、大人しく従った。


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