癒しの君と炎の王 2~炎の王は癒しの娘をさらに溺愛中~
ソフィアがいなくなったことに気がつくと、ロエルが真っ先に玉座の間を飛び出した。

「ソフィアッ!ソフィア!どこだ?」

ロエルは大声で叫びながら走り、ソフィアを捜し回る。

ソフィアどこだ?騎士団長に気を取られ過ぎた…側にいたのにっ…!

と、ロエルは自分への怒りと悔しさで気が気でない思いを振り払いながら、必死にソフィアを捜す。

ロエルは城中を走りながら勢いよく一部屋一部屋、扉を開けて行った。

すると、5番目に開けた部屋で、副団長の足元で床に倒れたソフィアを見つけた。その姿を見て、ロエルの怒りが頂点に達した。

「貴様っ!!」

ロエルは、力を使わず、副団長に掴みかかると、片腕で、副団長の首を鷲掴みにし、そのまま持ち上げた。
副団長はロエルの腕を振りほどこうと苦しみながらも必死に暴れる。

「ソフィアに何をした?」

と、ロエルは怒りを抑えながら低い声で聞く。

「くっ、薬で眠らせた…だけだ。」

と、副団長は途切れ途切れに答える。

ロエルはそのまま副団長をブンっと壁に投げつけた。
ドカッと背中から壁に当たり、ずるずるとずり落ちると、ゼエゼエと息を切らしながら、

「私は、ただっ、騎士団長の命令に従っただけだっ!魔物が死ぬまで、癒しの力が使えないようにしろと…。その女は殺してない!眠らせただけだ!どうか命だけは…。」

と、命乞いをした。

ロエルはその言葉が聞こえていなかったかのように、ソフィアをそっと抱きかかえると、何も答えずそのまま部屋を後にした。

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