王宮女官リリィ外伝〜あの子はだあれ?
ろくに舗装されていない赤茶けた道。埃っぽいそこを歩き出したキュリオに、物陰から子どもたちが出てくると口々にはやし立てた。
「やあい! うそつきキュリオ。おまえの父ちゃんどこ行った~?」
子どもたちは数人で彼を取り囲み、逃げられないようにしながらからかう。
「うそつきキュリオ! 今日こそ父ちゃん帰ってくるって言っただろ?」
「そうだ! 今日こそ父ちゃんを見せるって言ったもんなぁ」
「嘘だったら俺たちにダイヤモンドくれるって言ったもんな!」
子どもたちはキュリオが嘘をついたままなのを知りながら、わざとそうはやし立てた。
もともとキュリオの嘘は見通している。
子どもの関心は話が嘘か誠かよりも、キュリオをどう懲らしめるかという点にあった。
ダイヤモンドを1人1つずつくれる、というのはあくまでも不可能なことをわざと約束させたのだ。
最終的にはキュリオが泣いて跪き、ごめんなさいと負けを認める。そして自分たちの言いなりになる手下にさせる。
子どもたちはそんなふうにもくろんでいた。