王宮女官リリィ外伝〜あの子はだあれ?
クママル達は物陰に隠れて様子を見守る事にした。
キュリオの母親がパンプキンライスを用意してる間、キュリオが男性を連れて帰った。
「母ちゃん、ただいま! この男の人僕を助けてくれたんだよ」
キュリオはどこか嬉しそうに男性を見上げ、いつになくはしゃいでいた。
キュリオをかまう大人がめったにいないからだろう。
母親はそれを気の毒に思い、そっと涙を流した。
(私がもっとしっかりしなくては、キュリオも可哀想だわ)
母親はそう思い、できる限りの明るい笑顔で客人を迎え入れた。
「まあ、よく息子を助けていただきました。キュリオに代わり心より感謝申し上げますわ」
母親は精一杯の振る舞いとして、正式な御礼のお辞儀をした。
「いや……構いません。私も小さな頃には覚えがありましたから。
子どもは些細な違いを見つけるとすぐからかいの種にしますからね」
男性がそう言うと、母親は椅子代わりに木箱の上を勧めて座らせた。
「どうぞ、マントをお預かりしますわ」
母親が促すと男性は一瞬躊躇する様子を見せたが、すぐにマントを脱いで彼女に渡す。
現れた素顔を見たメイフュは、やはりと確信を持つに至った。