シオン
「面白かったな」と無邪気に笑う楓の隣を歩く。
「ね、どうなるか不安だったけどハッピーエンドでよかったー」というと「あーたしかに…」と彼は言う。
「もう夕方だね。」と私が夕陽を見ると
「あぁ、そうだな」と彼も夕陽を見る。
まだ「帰りたくないな」と思っていた。
彼は「近くの公園、行こーぜ」と言って走り出した。そんな彼の背中を追う。もう、見ることの出来ない背中を必死に涙を隠して追いかける。
公園内を歩いていると、草むらが がさがさ と揺れ、白、よりはベージュ色の猫が現れた。
「お、迷い猫か?」と楓が猫に近づく。
「かもね。猫は好き?」
「んーまあまあかな。犬よか猫派」と彼は言う。
「一緒」と言って私は笑う。
「お前どこから来たんだー?」と彼は猫を楽しそうに嬉しそうに撫でくりまわす。その度に、首輪の鈴が音を出す。
夕焼けが私たちを照らす。スポットライトみたいで、ロマンチックな感じがした。
そういえば、前もこんなロマンチックな雰囲気があったような気がする。
記憶を遡って思い出そうとした時、胸の奥から込み上げた感情が言葉となって、口をついて出た。
「好き」
「え?」と彼は何気ない顔で聞いてくる。
もう、躊躇っても、抗っても、駄目だ。何をしてももう、この気持ちを消すことは無理だ。
「ね、どうなるか不安だったけどハッピーエンドでよかったー」というと「あーたしかに…」と彼は言う。
「もう夕方だね。」と私が夕陽を見ると
「あぁ、そうだな」と彼も夕陽を見る。
まだ「帰りたくないな」と思っていた。
彼は「近くの公園、行こーぜ」と言って走り出した。そんな彼の背中を追う。もう、見ることの出来ない背中を必死に涙を隠して追いかける。
公園内を歩いていると、草むらが がさがさ と揺れ、白、よりはベージュ色の猫が現れた。
「お、迷い猫か?」と楓が猫に近づく。
「かもね。猫は好き?」
「んーまあまあかな。犬よか猫派」と彼は言う。
「一緒」と言って私は笑う。
「お前どこから来たんだー?」と彼は猫を楽しそうに嬉しそうに撫でくりまわす。その度に、首輪の鈴が音を出す。
夕焼けが私たちを照らす。スポットライトみたいで、ロマンチックな感じがした。
そういえば、前もこんなロマンチックな雰囲気があったような気がする。
記憶を遡って思い出そうとした時、胸の奥から込み上げた感情が言葉となって、口をついて出た。
「好き」
「え?」と彼は何気ない顔で聞いてくる。
もう、躊躇っても、抗っても、駄目だ。何をしてももう、この気持ちを消すことは無理だ。